2021年11月26日

軍用無線機 PRC1077について(2023年4月更新)

2023年4月更新

軍用無線機 PRC1077について(2023年4月更新)

PRC1077を調達したので簡単にレビューをしたいと思います。
まず、説明文中にAN/PRC-77とRT-841出てきますが、これはアンテナやハンドセット等のマンパックに必要なオプションが全て付いている場合→ AN/PRC-77
何もついていない無線機本体のみ→ RT-841/PRC-77

というように、使う目的や構成、使用場所によって名称が変わります。
今回ご説明するPRC1077は無線機本体のみで、対比としてはRT-841/PRC-77となりますので、その点をご理解いただきお読みいただければと思います。
軍用無線機 PRC1077について(2023年4月更新)

•基本性能
PRC1077
メーカー:DATRON(旧TRANSWORLD)https://www.dtwc.com/
周波数:30MHz~87.975MHz FM
25KHzステップ
送信出力:LO 0.5W/MED 2W/HI 5W
ノイズ/トーンスケルチ切替可
9chプリセット可能


PRC1077はRT-841/PRC-77と比べ基本性能は全て上回りオプションが全て共通で、かつ軽量です。(RT-841比-1.6kg)
本機は米軍では正式採用されている無線機ではなく、第三国向けの供与・輸出に使われております。
(以下、推測含む)米国はAN/PRC-25・77の時代から同盟国や友好国に対して無線機の供与・輸出を実施していました。
その支援の近代版としてPRC1077が選定され、各国に供与・輸出されている物と考えられます。
本機にNSN(米国の連邦補給システムで調達される品目に対して割り当てられている管理番号)が振り分けられている事もその理由の一つです。

AN/PRC-25・77と完全互換があるため今まで25・77を使用していた国でもスムーズに無線機の近代化がはかれるメリットもあります。
軍用無線機 PRC1077について(2023年4月更新)
軍用無線機 PRC1077について(2023年4月更新)
モロッコ軍での使用例
軍用無線機 PRC1077について(2023年4月更新)
インドネシア軍での使用例
その他、タイ軍、ベトナム軍、アフガニスタン軍などで採用。


軍用無線機 PRC1077について(2023年4月更新)
軍用無線機 PRC1077について(2023年4月更新)

内部はRT-841/PRC-77と比べると機械的部分はほぼなく、数個の大型モジュールで構成されています。
細かいところを見ると部品や配線材料は全てMIL規格品ではなく、一部に市販品と同じ物や材料が使用されていることが分かります。

以上の事からPRC1077は、設計当初から主に輸出や供与を目的としていた無線機なのではないかと推測されます。
技術が進歩した今、1960年代設計で機械部品満載のRT-841を作るより、民生品を使うCOTS(商用オフザシェルフ)の観点からも部品や材料の規格を緩和し、内部は基板化したモジュールを数個乗せるだけにすれば安価に友好国支援ができる、そんな思惑があったのではないかと思われます。

米軍に正式採用されていないので『米軍装備』という観点からすると微妙ではありますが、無線機としては軍用としてもアマチュア無線機としても大変使い勝手が良い無線機です。
軍用無線機 PRC1077について(2023年4月更新)

以下はマニュアルからの引用となります。

●PRC1077の概要
PRC1077は軍用VHF無線機の代表とも言えるRT-841(AN/PRC-77)の代替品として設計された丈夫で高性能な無線機である。
PRC1077はRT-841/PRC-77に比べて送信出力の向上、周波数範囲の拡張、10個のチャンネルプリセット機能を備えている等いくつかの改善点があり、5Wまたは50Wの出力でマンパック、車載、および地上設置の構成が可能である。
PRC1077は既存のVRC-64およびGRC-160車両無線システムに統合することも可能であり、RT-841/PRC-77の構成システムと完全に互換性がある無線機である。
軍用無線機 PRC1077について(2023年4月更新)

●AN/PRC-25・77のユーザー向けの特記事項
1. PRC1077は、RT-841/PRC-77を使用するシステムで使用するように設計されています。 PRC1077は、すべてのPRCアクセサリと完全に互換性があり、同じバッテリー、アンテナ、ハンドセット、車両マウント、リピーターケーブルなどが使用可能です。

2. PRC1077の本体ケースとバッテリーボックスはRT-841/PRC-77と交換可能です。しかし無線機の内部設計は完全に異なり、内部スペアパーツとサービス手順は同じではありません。

3.  PRC1077はモダンなデザインで、RT-841/PRC-77にはない機能を備えています。 RT-841/PRC-77では次の機能は使用できません。
A.76〜88MHzの範囲の周波数。
B. 25kHzステップ周波数切替機能。(RT-841は50KHzステップ切替)
C.ノイズ作動スケルチ。(RT-841はトーンスケルチのみ搭載)
D.送信、受信周波数の個別設定機能。(RT-841は送受信共に同一周波数)

4. PRC1077と比較すると、RT-841/PRC-77には次のものがありません。
A.10チャンネルのメモリ機能
B.高、中、低の送信出力の切替

●年代による違い

PRC-1077は1990年代に登場してから現在でも生産されている。
動作は同じであるが、内部の仕様が年代と共に変更されており初期型と最新型で本体色や内部仕様が大きく異なる。

軍用無線機 PRC1077について(2023年4月更新)
上から順に初期型とそれ以降の個体。
明らかな色の違いがある。

軍用無線機 PRC1077について(2023年4月更新)
こちらは下から順に初期型とそれ以降。
初期型には動作時間計まで取り付いている。
また、近年の型では線材の色まで無くなり徹底的なコストダウンが行われている様子。

軍用無線機 PRC1077について(2023年4月更新)
軍用無線機 PRC1077について(2023年4月更新)
オレンジ色が初期型、下の緑が近年の型である。
このようにLEDバックライトの色も違う。

モジュールに関しても内部回路は大きく変わっているものの、互換性は確保されているようである。




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Posted by メガネさん at 23:06│Comments(0)軍用無線機軍用無線
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